Unity・EVA・Constellation 比較レビュー
当院では現在、アルコン社製 Unity VCS を新たに導入し、既存の Constellation、EVA とあわせて 3 機種の硝子体手術装置を運用しています。導入後すでに 白内障手術は100件以上、硝子体手術も20件以上 Unity で施行しており、その使用経験をもとに臨床医の目線から比較を報告いたします。
白内障手術性能
・Unity は核破砕・前房安定性ともに非常に優れており、Constellation や EVA と比較しても群を抜いて安定性が高い。
・3 機種の中で最も白内障手術が行いやすく、これまでの100件以上の症例においても、術中の安定性は一貫して高かった。
硝子体手術性能
・Unity では硝子体カッターが 30,000 回転に進化し、テトラレーザーやレーザーのフットスイッチ操作系なども改善された。
・実際に20件以上の硝子体手術で使用したが、操作感は良好である一方、既存機種と比較して「劇的な進化」とまではいえない。
・難症例(例:牽引性網膜剥離を伴う重症糖尿病網膜症)については、慣れもあり現状では EVA を使用することが多い。
・そもそも硝子体手術は 術者の技量や知識、考え方に大きく左右されるため、機器の性能向上がそのまま手術成績の差につながるわけではない。
コスト面
・Unity は 1 症例あたりのコストが比較的高く、費用対効果の面では EVA に劣る印象がある。
総合評価
・それでも、実際に多数の症例を経験してみると、Unity は今後10年以上にわたって眼科手術のプラットフォームとして牽引していくポテンシャルを持つ装置であり、その安定性と可能性を強く感じている。
石田眼科医院
石田 学