近視進行抑制治療

子どもの近視について

近年、小児の近視が世界的に急増しています。子どもたちのライフスタイルが変化し、屋外活動の減少やデジタルデバイス等による近距離作業の増加が近視の進行を促していると考えられています。近視が強いと、将来的に緑内障や網膜剥離、黄斑変性などの発症リスクを高める可能性があり、これらの疾患は視力低下や失明につながる可能性があるため早期の予防と管理が重要です。

近視は主に眼球が伸びてしまうことで、ピントの合う位置が網膜よりも手前側にずれるため遠くがぼやけて見えるようになります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく一度眼球が伸びてしまうと戻ることがありません。そのために、眼球の伸びを抑えることが近視の進行を抑制するために重要となります。

子どもの近視について

近視進行診断装置「マイオピアマスター」

「マイオピアマスター」は小児期の近視進行を正確に測定・判定できる、次世代の近視進行診断装置です。目の大きさである「眼軸長」を測定し、調節力による変動を受けずに正確な近視進行を評価することができます。

マイオピアマスターで眼軸長測定の変化を経時的に測定し、内蔵された25,000人以上の正常眼軸長データベースと比較解析することで、お子様の近視進行スピードや近視予防治療の効果を、正確かつ視覚的な評価することが可能です。

近視進行診断装置「マイオピアマスター」
近視進行診断装置「マイオピアマスター」

新潟県で初導入しました

当院で行っている治療法

点眼治療(低濃度アトロピン点眼、リジュセアミニ点眼)

低濃度アトロピン点眼薬(0.01%)

低濃度アトロピン点眼薬(0.01%)

小児期の近視の進行を軽減させることを目的に低濃度アトロピン0.01%を配合させた点眼薬で、シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発・製造されています。
特徴としては、日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。眼の遠近調節機能(手元を見る作業)にほとんど影響を与えません。不快を感じるような副作用はほぼありませんが、この薬の本来の作用により、一時的に瞳孔が大きくなりまぶしく感じますが、数時間でほぼ正常な状態に戻りますのでご心配ありません。
毎日必ず就寝前に1滴点眼します。各容器(1本5ml)は両眼用に1ヵ月間の使い切りとなっています。

リジュセアミニ点眼液

リジュセアミニ点眼液

リジュセアミニは低濃度アトロピン(0.025%)を有効成分とする、日本で初めて「近視進行抑制点眼剤」として厚生労働省から認可された点眼薬です。散瞳に関連する虹彩・毛様体への移行を抑え、後部強膜へ到達するよう製剤設計されているため散瞳リスクを抑えられます。
この点眼薬は防腐剤を使用しておらず、1回分ずつの使い切り容器のため衛生面でも安全です。毎日必ず就寝前に1滴点眼します。

点眼治療の対象

  • 5歳以上の小児
  • 毎日就寝前に点眼が可能な方
  • 医師の指示に従った通院・定期検査が可能な方

費用

低濃度アトロピン0.01%点眼液とリジュセアミニ0.025%点眼液は健康保険等の公的医療保険適応の対象外(自由診療)となっているため、この治療に関わる検査や診察、点眼薬費用は全額自己負担の自費となります。
同日に保険診療を行うことは可能ですが、点眼治療継続中の近視病名に関わる治療(眼鏡処方やコンタクト作成)は全て自由診療となります。

低濃度アトロピン0.01%点眼液   1本(5ml)3,000円
リジュセアミニ0.025%点眼液   1箱(30本入り)4,000円

回数 時期 診察・検査費用
(税込)
検査内容
初回 適応検査 3,500円+点眼薬代
(3セット分)
調節麻痺剤による屈折・視力・前眼部・眼底・眼軸長検査
2回目 定期検査(3ヶ月後) 3,000円+点眼薬代
(3セット分)
屈折・視力・眼軸長検査
3回目 定期検査(治療開始から6ヶ月後) 3,000円+点眼薬代
(3セット分)
屈折・視力・眼軸長検査

*定期検査と別日に、眼鏡処方やコンタクトレンズ作成で受診された場合は自由診療代として530円かかります。

オルソケラトロジー

手術のいらない視力矯正治療

「オルソケラトロジー」とは、近視・近視性乱視の方のための、手術のいらない視力矯正治療法です。
日本ではレーシックほど知られていませんが、アメリカやヨーロッパ、アジア諸国を中心に、世界各国で安全性・有効性が認められ、治療が行われています。
日本国内でも、2009年以降4製品が厚生労働省の承認を受け、徐々に広まってきました。
オルソケラトロジーは、未成年者を中心に処方されています。

日中の裸眼生活が可能に

オルソケラトロジーでは「オルソケラトロジーレンズ」という特殊な形状が施された、高酸素透過性の専用ハードコンタクトレンズを夜寝る前につけて、朝起きたらはずします。
就寝中にレンズが角膜の形を変化させ、裸眼視力を矯正するのが特徴です。それにより翌朝レンズをはずした後も、角膜の形状が矯正された状態を一定時間維持できるため、裸眼で過ごせるようになります。

オルソケラトロジーの仕組み

近視の視力を矯正にするには

近視とは、外から入ってきた光が、眼の中の網膜より手前で焦点(ピント)が合っている状態です。
近視の矯正には、目に入ってきた光が網膜上でピントが合うように、光の屈折率を変える必要があります。
オルソケラトロジーは、夜寝る前にオルソケラトロジーレンズをつけて、寝ている間に角膜の形状を平らに矯正し、光の屈折率を変化させることでピントが合うようになります。

オルソケラトロジーの仕組み

特殊なレンズデザインが角膜の形状を矯正

オルソケラトロジーに使用するレンズは、手術をすることなく角膜の形状を変化させて近視を矯正する医療機器です。
レンズは複数のカーブからなる特殊なデザインとなっており、それによって角膜の形状を矯正することができます。
そのため翌朝レンズを外した後も一定時間効果が持続し(角膜が矯正された状態を保つことができ)、日中裸眼で生活できるようになるのです。

特殊なレンズデザインが角膜の形状を矯正

オルソケラトロジーのメリットとデメリット

オルソケラトロジーにもメリットとデメリットがあります。この治療がご自身の目の状態や生活習慣に適しているか検討する上で、ご参考にしてください。

メリット

  • 手術をせずに就寝時にレンズ装用することで日中裸眼で過ごすことができます。
  • スポーツ(特に激しいスポーツ)をする方に向いています。
  • コンタクトレンズのわずらわしさから解放されます。
  • レンズを装用を中止しますと元の角膜の状態に戻せます。

デメリット

  • 日中裸眼で生活するにはレンズを毎日就寝時に装用する必要があります。
  • 治療の効果には個人差がございます。
  • 日中裸眼で生活するには日数がかかります。
  • 通常のコンタクトレンズと同様にレンズケアが必要となります。

当院の使用レンズについて

当院の使用レンズについて

当院では、2012年に厚生労働省より製造販売承認を受けたオルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト®」を使用しています。

ブレスオーコレクト®の特徴

  • 設計開発から製造販売まで一貫して日本で行われている純国産レンズ。日本人に多い角膜形状に合うようデザインされた日本人向けのレンズです。
  • 東レ社製のしなやかで割れにくい、やわらか素材を使用しており、自然な装用感を体感できるレンズになっております。
  • 酸素透過性が高く、睡眠中も角膜へ十分な酸素が供給できます。

治療の流れ  

適応検査

<所要時間:約2時間> 2,000円
・レンズを入れて度数を合わせます

装用練習

<所要時間:約1時間> 1,000円
・装用練習後、お試し装用を1週間していただきます

1週間お試し装用

・翌日診察 1,000円

1週間後

・1週間後診察 1,000円
・治療を継続する場合は定額制のプランへ入会していただきます

1カ月後定期検査

・定期検査 3,000円 

3カ月後定期検査

・定期検査 3,000円 

費用(税込)

当院でのオルソケラトロジー治療はSEED定額制レンタルプランに入会していただきます。

月額利用料定額

毎月の月額利用料はクレジットによる自動引き落としとなります

両眼 7,700円
片眼 4,400円
初回のみ月額利用料の2か月分を店頭にてお支払い頂きます
両眼15,400円 片眼8,800円

保証内容

・片眼につき年2回の交換保証
・1枚につき11,000円での紛失保証

レンタルプラン注意事項

・月額利用料には適応検査料、診察料、お試し費用等は含まれておりません。
・本プランへのお申し込みは使用者が20歳未満の場合、その保護者が申込者となるものとします。
・本プランは契約後、開始日から30日間はキャンセルが可能です。
 ※その場合、初回お支払い額の半分(1ヶ月分の月額利用料)が加盟店を通じて返金となります。
・本プランは契約後、1年間は解約ができません。
・本契約は解約のお申し出のない限り、自動継続されます。
・本契約の解約・キャンセルは、ご契約申込者本人の署名と、ご使用レンズの返却が必要となります。
 ※加盟店へ解約を申し出た日の30日後の同月末日が解約日となります。
・レンズのお受け取り期間や交換等でご利用されていない期間があっても、月額利用料の返金はいたしかねます。

治療費用に関して

オルソケラトロジー治療は公的医療保険が適用されませんので、「自由診療」となります。

※医療費控除申請に関して
オルソケラトロジーの治療は、医療費控除申請の対象となります。詳しくは下記の国税庁による回答ページをご覧下さい。
オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除|国税庁
医療費控除について|国税庁

オルソケラトロジー関連ページ

多焦点ソフトコンタクトレンズ

近視の強いお子様にも対応できます。日中視力矯正と近視抑制を同時に行え、ソフトのため装用時の痛みも少ないです。1日使い捨てなので、衛星面や管理も比較的安全でスポーツの時にも使えます。しかし、日中に装用するため、ゴミが入ったときなどに自分で取り外すといった自己管理が可能な年齢になるまでは使用できないため、比較的年齢が高い小児が対象となります。

EDOFソフトコンタクトレンズ

EDOFソフトコンタクトレンズ

特殊な光学設計を用いたソフトコンタクトレンズです。

費用
装用練習 1,000円(税込)
レンズ代 1ヶ月分 7,740円(税込)

よくある質問

Q. 治療はいつまで続ければいいですか?

A.一般的に成長が落ち着く10代後半までの継続が推奨されています。具体的な治療期間は近視の進行状態に応じて医師が判断します。

Q. 点眼はどのように使用すればいいですか?

A.就寝前に1日1回両眼に1滴ずつ点眼してください。点眼し忘れた場合は次の日から再開してください。1日に2回点眼したり、一度に2滴使用しないでください。

Q. 点眼薬による副作用はありますか?

A.副作用として、羞明(まぶしさ)が認められています。また霧視(かすみ)調節障害(近くが見えにくい)などの症状も報告されています。これらはアトロピンの調節麻痺作用や散瞳作用に起因する一時的な反応と考えられます。点眼時間の調整によって軽減できることもありますので、症状がある場合はご相談ください。

Q. 視力は回復しますか?

A.この治療は近視の進行を抑えることを目的としています。完全に近視の進行を止めることはできないため、視力を回復させることできません。

Q. 併用はできますか?

A.点眼治療とオルソケラトロジー治療の併用や点眼治療とソフトコンタクトレンズの併用はできます。併用することで近視抑制効果が上がるという報告があります。

Q. 治療の効果はどのように評価されますか?

A.定期的な屈折検査、視力検査、眼軸長測定を行い評価します。

その他、ご不明な点はお気軽に当院スタッフまでお問い合わせください。

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